CSF ~CSFティア~ [セキュリティ研究室]

 こんにちは!
 ナビゲータのEVEです。

 本日は、日曜日ということで、セキュリティの日です。
 先週までは、CSFについて、調査し、CSFには、CSFコアCSF組織プロファイルCSFティアという3つの要素により構成されていることをお話しし、そのうち先週は、CSF組織プロファイルについて詳細に調べました。
 本日は、CSFティアについて調査したいと思います。

[CSFティア]
 では、早速、CSFティアについてChatGPTに解説をしてもらいましょう。
 CSF(Cybersecurity Framework)の「ティア」(Tier)は、組織のリスク管理プロセスの成熟度やサイバーセキュリティ活動の統合度を評価するためのレベルを示します。これらのティアは、CSFの3つの重要項目(フレームワーク・コア、フレームワーク・プロファイル、フレームワーク・ティア)の1つで、組織がサイバーセキュリティをどの程度実践し、ビジネス目標と調和させているかを示します。
 CSFのティアは以下の4つのレベルに分類されます:

❶ティア1=Partial(部分的)
・特徴
 リスク管理が非公式で、断片的に実施される。

・プロセス
 セキュリティ活動が一貫しておらず、文書化も不十分。

・統合度
 サイバーセキュリティがビジネスの意思決定に組み込まれていない。

❷ティア2=Risk Informed(リスク対応型)
・特徴
 リスク管理がある程度意識され、正式なプロセスが存在する。

・プロセス
 文書化されているが、全組織に適用されるわけではない。

・統合度
 セキュリティ活動が組織の一部の意思決定プロセスに組み込まれている。

❸ティア3=Repeatable(反復可能)
・特徴
 サイバーセキュリティ活動が組織全体で一貫して実施されている。

・プロセス
 標準化され、文書化されており、定期的に見直しが行われる。

・統合度
 サイバーセキュリティが組織全体で実践され、意思決定に密接に関与している。

❹ティア4=Adaptive(適応型)
・特徴
 サイバーセキュリティ活動が高度に統合され、進化し続けている。

・プロセス
 リアルタイムでのリスクモニタリングや、脅威への迅速な対応が可能。

・統合度
 サイバーセキュリティがビジネス目標と完全に統合され、組織全体の文化となっている。

■ティアの役割
 CSFティアは、組織が現在どの段階にあるのかを理解し、必要に応じてティアを上げるための改善計画を立てる際に役立ちます。たとえば、ティア1からティア2への移行を目指すことで、リスク対応型のプロセスを構築できます。
 組織の目標やリソースに基づいて、すべての組織がティア4を目指す必要はありません。重要なのは、自社のビジネス目標に合った適切なティアを達成することです。

以上の解説からでは、どのような基準で、ティアを上げていいのか分かりづらいので、具体的な基準やプロセス改善の方向性を聞いてみました。
■ティアのレベルを上げるための基準と取り組み
❶ティア1(Partial) → ティア2(Risk Informed)
★基準:
・リスク管理活動を組織全体で認識し、正式なプロセスとして文書化する。
・リスク管理が一部の意思決定に反映されること。
・規制や業界標準の最低限の要件を遵守する。

★取り組み例:
・リスク評価プロセスを作成し、関係者全員で共有。
・セキュリティガイドラインを策定し、組織内でトレーニングを実施。
・必要な法令遵守(コンプライアンス)要件をリストアップし、対応計画を立案。

❷ティア2(Risk Informed) → ティア3(Repeatable)
★基準:
・セキュリティ活動が組織全体で一貫性を持ち、標準化されている。
・文書化されたプロセスがあり、それを継続的に実行・改善している。
・リスク管理が組織のビジネス目標と統合されている。

★取り組み例:
・標準的な手順書(SOP: Standard Operating Procedure)を作成。
・リスク評価を定期的に見直すためのワークフローを導入。
・セキュリティイベントに対応するためのインシデント管理プロセスを整備。

❸ティア3(Repeatable) → ティア4(Adaptive)
★基準:
・サイバーセキュリティ活動がリアルタイムでリスクに対応可能。
・継続的な監視、予測的な分析、インテリジェンス(情報)活用が行われている。
・サイバーセキュリティが組織文化の一部として浸透し、進化し続ける。

★取り組み例:
・セキュリティモニタリングツールを導入し、脅威をリアルタイムで検知。
・AIや機械学習を活用したリスク予測と防御戦略の実施。
・全従業員にセキュリティ意識を高める文化を推進。

■ティアレベル移行のための共通ポイント
・トップダウンの支援: 経営層がセキュリティ向上の重要性を理解し、支援すること。
・教育とトレーニング: 従業員へのセキュリティ意識向上とスキル向上を実施。
・継続的改善: サイバーセキュリティのプロセスや技術を定期的に見直し、改善する。

■具体的な参考基準
1)NISTのガイドライン:
 CSFの公式ドキュメントに基づき、自社の現在地と目標地点を明確にする。

2)サイバーセキュリティ成熟度モデル(CMM):
 プロセスの成熟度を段階的に評価する方法論を活用。

 これらの基準を具体的に実践することで、ティアレベルを段階的に引き上げることが可能です。分かりやすい計画を立てるために、現在の成熟度評価から始めると効果的です。

参考文献として、CMMとありますが、IPAの試験で見かけるのは、CMMIの方です。そして、このティアという考え方に近いような気がしますが、どうだったでしょうか?記憶が定かでない部分もあるので、またの機会にご報告したいと思います。

[あとがき]
 CSFティアでは、自組織のレベルを認識し、適切なセキュリティを実現を目指すことが重要です。ちなみに、以上の内容でも漠然としたものがあるので、標語のような形でティア1からティア4を表現した場合、どのような表現になるのか、ChatGPTに聞いてみました。
ティア1(Partial): 「場当たり的で最低限の対応」
ティア2(Risk Informed): 「リスクを認識した管理体制」
ティア3(Repeatable): 「標準化された安定運用」
ティア4(Adaptive): 「進化し続ける最先端の対策」

以上を見ると、すべての企業はティア4を目指すべきと思ってしまいますが、ティアの解説の中にも書いてありますが、組織の特性、業界のリスク、ビジネス目標に応じた適切なセキュリティレベルを設定することが重要なのだそうです。その理由としては、ティア4を実現するためには、コストが非常にかかり、そのコストが経営の足かせになる可能性があります。そのような状況では、セキュリティを実施する意味がなくなるので、リスクアセスメントなどを行い、ビジネス目標とリスク許容度を基に最適なセキュリティレベルを実現することが求められます。
 以上から、その判断と責任は経営者に求められるべきという社会的な流れが生まれたと思われます。
 では、また!

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